聴覚障害者のコミュニケーションを支援するアプリケーション

「こえとら」のユーザビリティを向上

~ 使いやすく自然なユーザインターフェースで、より多用途に ~

株式会社フィート(代表取締役:奥山 美雪)は、聴覚障害者等が困難を抱えていた健聴者とのコミュニケーションを手話や筆談を用いることなく実現する聴覚障害者支援アプリ「こえとら」において、多様な利用シーンを想定し、使いやすく自然なユーザインターフェースとなるよう改良を行い、利便性を向上させました。

「こえとら」は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長:徳田 英幸)が同機構の所有する高精度音声認識技術、高品質音声合成技術をベースに、スマートフォン向けに開発したアプリケーションです。フィートはNICTから技術移転を受け、これまで、ラインアップにスマートフォン対応のiOS版、Android版、タブレット対応のiPad版を揃え、機能面では利用者の障害や能力の程度、活動範囲の拡大に配慮し、音声認識結果の表示に“ひらがなカタカナ”を、音声合成結果の音声に“性別”、“再生速度”を選択できるようにするなどして、「こえとら」の利便性を向上させてまいりました。

この度、「こえとら」の幅広い利用場面におけるユーザビリティに配慮し、“横画面表示 (iPad版)”に対応して会話の入力操作性および視認性が高まりました。また、“履歴会話を再使用”できるほか、一部のユーザインターフェースを改良することでコミュニケーションはよりスムーズになり、利用者にとって利便性が向上しました。

株式会社フィートは、「こえとら」のユーザビリティ向上により、聴覚障害者のほか障害や能力の程度によらずに利用でき、日常生活、職場、および教育現場などで活用範囲が広がることで、利用者にとっての生活の質が向上することを期待しています。


 

【背景】

「こえとら」は、NICTが研究開発に取り組む“音声”を“文字”に変換する音声認識技術、“文字”を“音声”に変換する音声合成技術をベースに、スマートフォン向けに開発されたアプリケーションです。NICTから技術移転を受けたフィートは、これまでにiOS版、iPad版、およびAndroid版を提供してまいりました。さらに、英語版「KoeTra」(iOS版)が配信され、「こえとら」「KoeTra」のダウンロード総数は2020年1月時点で18万回を達成しました。

 

【「こえとら」について】

「こえとら」は日常生活のコミュニケーションにおいて聴覚障害者とその家族などで広く活用されています。今日のタブレット端末の普及と共にスマートフォン版にタブレット型iPad版がラインアップに加わり、大画面化によって文字の見やすさや操作性が高まり、自治体の受付窓口、公共施設等の屋外活動範囲での使いやすさが向上し、より便利になりました。

一方、「こえとら」のユーザインターフェースは縦向き画面(ポートレート)表示が基本です。縦向き画面固定では、利用者はキーボードが小さく文字入力の操作性を不便に感じることや、テーブル上などに置いて使用する際、一般的な端末カバーが横向きで設置可能な形状で販売されていることから、文字入力そのものが困難となってしまうケースがありました。また、教育現場の講義形式の場合には、生徒や学生は、内容が多いと文字の読み取りが難しく、いっぺんに情報を掴みにくく感じるため、視認性の良いことが求められていました。そのため、文字の入力と読み取りの点から多様なコミュニケーションに対応できるユーザインターフェースが期待されていました。

さらに、発話に障害があり日常生活に支障がある状況では、“文字”を“音声”に変換して言葉を伝える音声合成が利用されています。「こえとら」の定型文機能は文字入力を省けて便利でしたが、会話を繰り返して使う状況では、よりスムーズなコミュニケーションができるよう期待されていました。

そこで、①“横画面(ランドスケープ)”表示(iPad版)、および、②“履歴会話の再使用”に対応しました。①“横画面”表示では、画面の横回転に応じてユーザインターフェースは切り替わり、文字入力の操作性と文字読み取りの視認性が高まることから、利用シーンを選ばずアクティブにユーザビリティが異なる縦横画面を選べるようになりました。②“履歴会話の再使用”では、会話を繰り返して使う状況に対応し、“履歴を見る機能”から直前に使われてきた会話を再び使用できるようになりました。さらに、使いやすく自然なユーザインターフェースとなるよう一部の改良を行いました。

「こえとら」は、この度の改修によりユーザビリティが向上したことで、聴覚障害者が健聴者とのコミュニケーションでの利用に限らず、発話、視覚、識字のほか障害や能力の程度によらず、より幅広い利用者層での活用ができ、また日常生活、職場、および教育現場のほか幅広い場面での利用ができるようになり、さらなる利便性が向上しました。

株式会社フィートは、今後も「こえとら」を日常活用するお客様の声に耳を傾け、聴覚障害者とご家族などの生活の質が向上するようにサービスの向上と機能の改良に努めてまいります。

 

【出展予定】

株式会社フィートは、2020年3月7日(土)、8日(日)、東京都障害者福祉会館・港区立港勤労福祉会館で開催される「第49回耳の日記念文化祭」に出展し、「こえとら」の展示を行います。皆様のご来場をお待ちしております。

主催:(公社)東京聴覚障害者総合支援機構 東京都聴覚障害者連盟 第49回耳の日記念文化祭実行委員会

 

【協賛について】

「こえとら」は、電気通信分野における障害者支援を目的としたアプリです。2020年1月現在、総務省のご協力、および、通信事業者5社*1の協賛により、株式会社フィートがサービスを提供しています。

(*1)通信事業者5社:株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社、ソフトバンク株式会社、東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社

 

【「こえとら」のご利用にあたって】

▶ サポートページ:https://www.koetra.jp/index.html

 

・iPadは、米国及び他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。

・iOSは、Cisco の米国およびその他の国における商標または登録商標であり、ライセンスに基づき使用されています。

・Androidは、Google Inc.の商標又は登録商標です。

 

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